2008年1月31日木曜日
スターシップ・トゥルーパーズ(ポール・バーホーベン監督1997)
一度観たなら当分夢に出てきそうなほど、不気味で凶暴な「虫」たちだった。本作は人類と異星に住む巨大昆虫の戦争を描いた大作である。
ジャンルはSFなのだが、R15指定にされてしまうような血みどころのバイオレンスシーンをふんだんに盛り込んでいるのが最大の特徴だ。蚊や黄金虫に良く似た象のように大きい虫たちが鋭い足で兵士を串刺しにして、あるいは首を切断し、または酸の液体を吐き出して腕を溶かす。こうした凄惨な戦闘場面がこれでもか、と続いていく。
宇宙船や地球連邦軍が登場する未来、という一見子どもが喜びそうな舞台設定に激しい暴力をテイストしたバーホーベン監督は「残酷ファンタジー」とでも呼べるジャンルのパイオニアである。映画においてはこの種の作品はまだ珍しいが、漫画では『ベルセルク』[1]、活字では『本当は恐ろしいグリム童話』[2]など既にいくつも挙げられる。
ベネトンの広告のごとく人々の神経を逆撫でする挑発的な映画だってもっとあっていい。了
[1]三浦健太郎『ベルセルク』白泉社1989~
[2] 桐生 操『本当は恐ろしいグリム童話』KKベストセラーズ1998
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